vol:09わかさぎ

少し唐辛子を多めにして大成功したワカサギの南蛮漬け。
ワカサギに衣をまぶす時には、ジップロックに片栗粉と一緒に入れて振るのが便利。
均一に衣がついてサクサクになり、南蛮漬けにする前のつまみ食いが止まらない。
もちろん、ビールも、ワインも、日本酒にも合う。

大沼湖畔にたつバンディ塩原さん。そりのレンタルや、赤城専用のオリジナルしかけの販売、結氷状況の情報など大沼のことならなんでも頼りになる。
手ぶらで訪れても、全部レンタルでワカサギ釣りができる。

スタート時間前にスタンバイしたそり。左が名人、右がバンディ塩原でレンタルした私のそり。とりあえず、イケアバックに全てを詰めてどんと積みこんだ。

名人のそりのクローズアップ。このお手製のそりはもう数台目だそうだ。試行錯誤を繰り返し、風にあおられても飛ばされないよう、重心の低い構造になっている。

狙う場所についたら、魚探(魚群探知機)を駆使して、どこに穴を開けるかが勝負の分かれ目。ほんのわずかな30cmずれただけでも、釣れる数が変わるのだそうだ。

場所が決まり、振り返ると朝靄の中、日があがってきた。これから参戦する人たちが湖上を歩いており、その人影が幻想的だった。

獲ったワカサギを入れておく穴。水面まで貫通させないように氷の上部分だけを削りくぼみを作る。そこに釣れたワカサギが1尾ずつ増えていく楽しみ。

透き通った魚体がきれい。キュウリウオ科の魚はその爽やかな青臭さが美味しさの元。香りの強い個体は料理をするとさらに風味が増す。

手元の電動リールの目盛りを見ながら釣り針をおろし、チョイチョイと糸を引き魚の反応を見る「ぺこり」という竿を使った釣り方。
細い糸と小さな針を絡ませないようにさばくのがポイント。ワカサギの群れが通過中にかぎって、糸がからまりやすくなる法則がある。

鯨井さんの下ごしらえは、揚げる前に塩で2回揉む。こうすることで、臭みが抜ける。やりすぎると今度は風味が抜けてしまうので、ほどほどに。
この下ごしらえをすると、美味しすぎて食べるのが止まらない。

湖上での火器使用はNG。火を使える場所は限られるため、今回は湖畔のキャンプ場で。それから、使用後の油は液体だと持ち帰りづらいので、油固め剤を使うと便利。

vol:08

佐藤虎文名人。ウェーダーの着こなしも、両手に持った鮭も、佇まいがカッコいい。

名人に教わる私の横に立つ木々は、カモフラージュのために山から切り出して立ててある。
鮭は、人影が見えるとピューッといなくなってしまうので、ぎりぎりまで隠れてじっと待つ。
この前年にもコド漁にチャレンジしているのだけど、冷たい雨のその日は、水面が荒れて見えにくい鮭を待つのがつらかった。

鈎のついた竹竿の取り回しがけっこう難しい。岸から見る水深は実際よりも浅いので、その分も考えて鈎をかく。
名人は鮭が泳ぎやすい流れを作るために、鮭の遡上前に川床を整備する。それによって釣果が変わるのだ。

私にとって、引っ掛けた鮭を岸に上げるまでが核心。シンプルな鈎なので力の入れる方向を間違えると外れてしまう。
鮭の表皮にはぬめりがあり、つるつると滑って掴めないので、尻尾の付け根をしっかり握って逃がさないようにする。

雄のぶな。“ぶな”とは、橅の木肌の様なまだら模様が表れる婚姻色のこと。岸に上げた後、バタバタと暴れてそのまま川に戻っていってしまう場合が何度もあった。岸に引き上げたら、素早く頭を殴って命をいただく。

奥に見える黒い魚影が鮭。川の透明度が高いのでよく見える。鮭がゆったりと上流に向かって泳ぐ姿は迫力満点。
この大きな生き物が太平洋を回遊して、生まれたこの川に帰ってきたのだと思うと尊敬の念を抱かずにいられない。

伝統的な鮭の保存方法「塩引鮭」。塩につけた後、寒風にさらすと身が熟成する。自然と時間のなせる業から生まれる力強い味。
塩辛いが旨みたっぷりの鮭を焼いてほぐしご飯にまぜたおにぎりは、また食べたい。

もちろん!の、はらこ飯。獲ってすぐに、お腹を開いてイクラを出し、日本酒で洗い、塩をいれると半日程度で食べられるようになる。
素のイクラよりも、味をつけた方が魚卵のタンパク質の旨みが増す。

水バケツからはみ出す鮭たち。そのままでは冷蔵庫に入らないので、帰宅後、3枚におろし、切り身にして冷蔵庫にしまう。
慣れない私は、1尾おろすのにだいたい1時間かかった。深夜過ぎにさばき終わった私は妙な達成感により、その後眠れなくなってしまった(笑)。

鮭のトマト煮。人参、しめじ、にんにく、乾燥バジルとトマトジュースで煮た。見にくいけれど、真ん中にあるのが鮭の切り身。
食べきれない分は切り身にして冷凍しておくといろいろ使える。鮭をほぐして酒、みりん、塩で味付けした鮭フレークを温かいご飯にかけて食べるのもおすすめ。

大川漁協組合では、獲った鮭から受精卵をつくり、冬の間に卵から稚魚にかえして、春先に放流する。130万の卵から稚魚になるのは80%。
放して、4年後に帰ってくるのはそのうちの2%の約2万尾弱。こういった地元のたゆまぬ努力が、鮭の帰る川の土台になっている。

vol:07神奈川県・横浜市のハゼ

背開きにして、天ぷら。白身の魚の美味しさを冷えたビールとご賞味ください。うんまい!

えさ屋さんの外観。木枠の引き戸に、この後の釣りの期待が高まる。開ける時のカラカラという音と戸の軽さも非常によろしい。

えさ屋さんの店内。欲しいものは右下のかごに入れて会計してもらう駄菓子屋さんシステム。
えさは店番の人に声かけて冷蔵庫から出してきてもらう。それも楽しい。

お食事中は見ないで!の「アオイソメ」くんたち。噛みつきます。痛くないけど。彼らがおいしそうに見えないとハゼが釣れない。
その時や場所によって、針にどういう風にえさ(アオイソメ)をつけるかで釣果が変わる。名人はいろんなえさのつけ方を試して後半は爆釣だったので、私もそれに倣った。

前半は釣れずに、空を眺めたりしてぼんやりしていた。この後、釣れ始めて忙しくなる。

つやつやのマハゼ。写真でみるよりも実際はもっと透き通っているように感じる。この愛嬌ある姿からは想像できないくらい上品な味がするのだ。

私の顔じゃなくてハゼの腹びれを見てください。丸くなっているところがそれで、この吸盤状のひれで、護岸の岩壁などにくっついているのかと想像すると可愛い……食べちゃうけど。

散歩中の冷やかしのおじさんと立ち話して、自慢して、すれ違う。夕間暮れのいいひと時。
首から提げている竹製の入れ物(名人所有)にアオイソメを入れると便利。江戸前の雰囲気がとても気に入って使わせてもらった。

vol:061月号の誌面でお伝えできなかった写真をご紹介します。

福島県・布沢のナメコ

可愛いなめこの幼菌。いわゆるスーパーで売っているなめこと同じくらいのサイズ。
このサイズは湯がいて大根おろしで和えるとおいしいよ。たくさん採れたら冷凍保存。

直径3〜4㎝の食べ頃サイズ。このシズル感伝わりますか(^.^)
私的ベストはなめこ汁となめこ大根おろし(と日本酒)。
最近聞いた「なめこあんかけ豆腐」も今度試してみよう!

沢を越える箇所が多い場合には長靴が便利。
ザブザブの沢もグチャグチャのぬかるみも気にせず進む散策スタイル。
ふらふら歩いているようでも、眼光鋭く、倒木チェックは見逃さない。

ふざわの森の主役、ブナ。シルエットで見上げると迫力。
ブナの保水力については諸説あるが、いつだったか、 ブナの森の腐葉土を絞った時に水がしたたり落ちたのにはびっくりした。

刃に竜が描かれていてカッコいい齋藤さん愛用の鉈。藪漕ぎで枝打ちをするとき等に使う。
私もいつか鉈が似合う人になりたい、と齋藤さんを見て思った。

珪化木(けいかぼく)。年輪がきれいに見えていても、触った感じは石。
近藤さん宅の工事で見つかった900万年前の針葉樹。ヒト属が生まれるずーっと前の時代からの贈り物。

vol:0512月号の誌面でお伝えできなかった写真をご紹介します。

新潟県・小千谷の自然薯

すりおろした自然薯。ヤマノイモ科のつる性多年草。ヤマノイモ。ヤマノサチ。

こちらはなんだかわかりますよね?
採れちゃったんで炊き込みご飯で食べました!
(答え:まいたけ)

むかごは、濃いめの塩ゆでにして皮ごといただくのも旨い。ビールお願い!

自然薯掘り用のシャベル。小千谷のホームセンターには売っているそうな。これを車に積んでおけばいつでも芋掘りができる!買って帰るか迷いました。

去年の自然薯の皮。去年の自然薯がしぼんだ後の空洞に、今年の自然薯が育っていれば大きくなる可能性が高い。土を押しのけて大きくなる力強い生命力。

磯辺焼きにしてみました。すりおろした自然薯を油をひいたフライパンで焼き、醤油をつけて海苔を巻くだけ。サクサクなのにもっちりした旨みに感動。

vol:0411月号の誌面でお伝えできなかった写真をご紹介します。

(うみのさち)石部のカワハギ

1.カワハギ正面

おちょぼ口が可愛い。顎が頑丈で、甲殻類や貝類を食べる。

2.カワハギ蒸し料理

フグ目カワハギ科なので白身はクセがなく淡泊で弾力がある。あんまり美味しくできたのでカラー写真で。

3.カワハギの煮つけ

こちらは石部荘で料理していただいたもの。甘辛い煮つけも美味しい。

4.名人の獲ったブダイ

歯がすごい。甲殻類や岩に着いた藻をはぎ取って食べる。海底の大きな岩の影にいて、大きなものは50㎝くらい。

5.スズメダイの仲間の群れ

泳いでいたら魚の群れの中に入った。たくさんの小さな目がきょろきょろと私をみていた。

vol:0310月号の誌面でお伝えできなかった写真をご紹介します。

叶津川の岩魚

上流に向かう。雪渓からふき出してくる霧で寒い。

先行の二人との間に、50㎝くらいの雪渓の割れ目がある。覗くと3mくらい下に水の流れが見えた。

この後、熊に出会う。カーブの先だったので、まさに出会いがしら。沢の中は水の音でお互いに気づきづらい。

小さい魚や食べない分はリリース。

岩魚の身はきれいなうす桃色。

vol:029月号の誌面でお伝えできなかった写真をご紹介します。

南会津藤生 わらび山のわらび

わらび山ではわらび以外の山菜もたくさん生えていました!
左から、うるい、しおで、わらび、うど、クレソン。どれも美味しくいただきました!

わらび山。山焼きしてあるので、スッキリしてますね。青空のもと、爽快な汗を流しました。

見てください。いいわらびでしょう!
隠れた藪(やぶ)わらびを探して見つけた時の喜びときたら!

ランドネ誌面で紹介した写真のカラーバージョン。左はりつこさん、右は私のわらび。ほんの1、2時間でこの収穫。

採ったそばから、野外で料理しました。左から、茹で「しおで」にマヨネーズ、「うど」のきんぴら、灰汁ぬき「わらび」キムチ和え、「行者にんにく」のナムル!行者にんにくは、りつこさんからの差し入れ。


vol:018月号の誌面でお伝えできなかった写真をご紹介します。

氷の山すずこ

何十年も山と共に暮らしてきご夫妻の温かい年月に少し触れてきました。
ありがとうございました。

まずは、直火で焼いて黒焦げなったすずこ。

この黒焦げになったすずこの皮をむくとこうなります。

この色がいいでしょう。
透き通ったエメラルドグリーンです。
つやっと、ぷりっとした感が伝わりますか?

なんと、缶詰のタイトルが「山のさち」

デザインは、小椋実さんと先代とで考えたそうです。
素敵なパッケージですよね。

山ですずこを採ってきたら、その日のうちに茹でて、
缶詰にする機械で、こうやってひとつづつ蓋をするそうです。